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不登校の段階

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不登校の段階について

「不登校」とは、どんな状況でしょうか?

学校へ登校できていない状況というのは広義的で、その中には様々な様々な段階があります。
不登校になる前の前兆という時期から始まり、完全に学校生活から距離を置く時期を経て、次第に学校等の社会生活へ戻るためのリハビリをしたりチャレンジする時期へと向かいます。
その経過がわかりやすいように、不登校におけるさまざまな段階を「不登校の前兆と6つの段階」としてまとめました。
(10年に渡る不登校のお子さんや親御さんとのカウンセリングの症例と下記の参考文献※をもとに作成しています)

お子さんが不登校になると、まるでどこまでも続く真っ暗なトンネルの中にいるような気持ちになる方もいらっしゃると思いますが、不登校には段階があること、そしてお子さんが今どの段階にいるのかを知ることができれば、今よりも冷静に過ごせるかもしれません。

必ずしも全員がこのような経過をたどるわけではありませんが、お子さんのご様子から部分的にでも当てはまるところがあれば、ご参考になれば幸いです。

不登校の前兆と6つの段階

前兆と6つの段階
0.前兆

1.戸惑い
2.悩み苦しむ
3.蓄える
4.芽生える
5.積み重ねる
6.チャレンジする

0.前兆

まだ学校へ通っている時期です。周囲から見ると、不登校になるとは考えられないように見えることもあります。
しかし、ある時お子さんの中で不登校に繋がる原因が生じ、人知れず悩み、不安や心配な気持ちと折り合いをつけながら過ごしています。
この時期は、その不安などが沸々と大きくなっていく時期です。
“学校に行きたくない”という発言が出始めますが、お母さんが励ませば登校することができます。この”学校に行きたくない”という表出が徐々に強く激しくなって不登校の段階を経ていくこともありますし、そのような様子はなくある朝突然行かれなくなることもあります。

親御さんからすれば、突然のことのように思い驚かれる場合が多いのですが、お子さん当人としては、ゆっくりと体が蝕まれるような感覚なのです。

1.戸惑いの時期

この時期は、完全に不登校となる前の期間です。
朝、学校へ行く支度をしたけれど、身体が重くて動けない、とか、お腹が痛くなった、などの身体的症状を訴えてきて、結局は学校を休むということが増えてきます。
親御さんはなんとか学校に行かせようと、あの手この手を駆使しますが、一週間に一回、三日に一回、何日か続けて休み一日行く、などのように、徐々に欠席する日が増えていきます。
また、登校できたとしても、保健室で過ごしたり、遅刻や早退が増えてきます。
オンライン授業であれば参加できることもあります。
この時期はまだお子さんご本人も、頭では「行かなければならない」と思っています。しかし、身体的症状が出てくるなど、思うように行動できなくなり、以前の自分との違いに戸惑います。
この時期のお子さんには、笑顔が減る、登校渋りが強くなる、頭痛や腹痛の訴えがある、友達との交流が減る、などの行動が出てきます。
また、普段は学校の宿題をしっかりやっていたのに見向きもしなくなった、提出物を出さなくなったなど、学校と関連することに触れたくないと感じられるような行動が見られるようになります。
近年はオンラインゲームやSNSを楽しむお子さんも多いと思いますが、そういったものを以前は楽しんでいたのにある時からやらなくなった、ということも出てきます。
このような行動が見られたら、嫌がらせをされている場合もありますので、きまぐれかな、と捉えずに「きっと何かある」と考え、注意深く様子を見た上で、学校の先生やカウンセラーに相談するなどの早めの対応をすることが大切です。

2.悩み苦しむ

しばらく”五月雨登校”(学校へいける日もあればいかれない日もある)が続いている場合もありますが、ほとんど登校できていない場合もあります。登校できない状況が進むにつれ、その状況について悩み苦しむ時期がやってきます。
登校しなければと思っているのに体が思うように動かず戸惑っていた頃より、身体的症状の訴えは少なくなります。しかし、お子さんの中で「学校に登校しないといけないという思い」や「学校に楽しく登校しているという理想」と「学校に登校したくないという本音」のギャップが大きいので、悩み苦しむのです。
またこの時期はその苦しみが行動に現れて来る時でもあります。例えば、暴れる、暴言を吐く、昼夜関係なくゲームやインターネットなどに没頭するなどが挙げられます。
暴れたり暴言を吐く対象は、ご家族であることことがほとんどで、特に側で見守ることの多いお母様が標的になりやすく、ご家族(特にお母様)のストレスが高まりやすくなります。お子さんに適切な対応をしていくためにも、ご家族のストレスを軽減していく必要があります。学校の先生と連携をとっていくこととは別に、第三者であるカウンセラーに相談することで、ご家族が客観的で広い視野を持つことができ、ストレスの軽減やお子様への適切な対応に繋がります。

3.蓄える

この時期になると、学校へ登校しなくなり、家の中でも何もしたくない、という状態になります。外出はもちろん、家の中でもリビングなどの家族が集う場所で過ごすことは好まず、自分の部屋などの自分のテリトリーで過ごす時間が多くなります。部屋の中で、ただただ寝ているという時期もあります。
よく保護者の方が「声をかけても反応せず、真っ暗な部屋で一日中寝ているんです」と困り果てて相談に来られるます。周囲から見ると、「なぜあんなに寝ているのだろう。いつまで怠けているのか。」と感じ、ヤキモキすることと思います。
しかし、この状態は、エネルギーを蓄えている状態です。お子さんは、学校へストレスを感じはじめてから不登校になり、そのことに不安を抱き、悩み苦しんできました。その間にエネルギーを枯渇させてしまったお子さんは、エネルギーを蓄えるために、ひたすら寝たり、起きていても何かをするというよりもぼーっとして過ごすことが多くなるのです。
脅迫行動が出てきたり、入浴回数が減ったり
特定のタオルやぬいぐるみを常に持ち歩くということもあります。

4.芽生える

「3.蓄える」時期を過ぎても、登校はせず、家で過ごします。何もしたくないという時期を経て、何かをしたくなる時期に入ります。ゲームをしたり、漫画を読んだり、お風呂に入りはじめたり、食べたいお菓子をねだってきたり、何かしらの行動をとるようになります。
前段階でエネルギーを蓄えたとはいえ、まだ学校の課題に取り組むことはお子さんにとってハードルが高いといえるでしょう。自分の好きなことを手に取りはじめたら、家の中で過ごしていてもお子さんの中では変化が起きています。無理なく簡単にできることを”手伝ってほしい”と誘ったり、”夜ご飯のメニューはカレーとシチューどっちがいい?”等と話しかけると、それに応じることも出てきます。
ただし、同時に好きなことだけに夢中になり、昼夜逆転などの問題が起きやすいのもこの時期です。
頼み事や声がけに応じるなどの良い行動をとった時には、「あなたのやり方は良くない、口の利き方が良くない」などと注意することは避け、成果はどうあれ、まずは応じてくれたことを褒めて、人に喜ばれたり頼られることの嬉しさややり遂げたことへの達成感を感じられるようにしてあげることが、次へのステップへとつながっていきます。

5.積み重ねる

この時期になると、家の中では気ままに過ごし、お子さんの口から「ひま」「飽きた」「ゲームを買いに行きたい」などの言葉が出てきます。床屋やコンビニに行ったり、自分が安心する場所には出かけるようにもなります。
時には「学校に行ってみようかな」と話すこともあります。これは「学校に行きたい」という強い気持ちからというよりも、少し学校のことが気になりはじめた、という感じに近いと思います。このような発言があれば、親御さんとしてはとても喜ばしく感じると思いますが、”ではすぐ学校へ連絡して段取りを!”と焦ってしまうと、また失敗経験を積んでしまうことになりかねません。この時期は、一度広がったように見えたお子さんの世界観が、再び狭まることもあります。また、それを繰り返す場合もあります。
学校へ行きたいというお子さんの気持ちは決して嘘ではありませんが、それを鵜呑みにせず、お子さん自身が自分のこと以外に目が向いてきたこと、今の状態は居心地が悪く、変わりたいと思っているという気持ちを冷静に受け止めることが大切です。外の世界に気持ちが向き始めて興味を持ち始めたんだなと捉え、学校に戻ることも”選択肢の一つ”としてお子さんに話してあげられると、お子さんが安心してチャレンジするための準備を整えることができます。

6.チャレンジする

この時期は再び活動を開始する時期です。習い事を再開したり、塾などに通い学習のサポートを受け始めるなど、目に見える活動を再開します。徐々に学校へ通いだすことができるようになります。それによって、お子様の気持ちも表情も明るくなり、不登校からの回復の兆しが随所に見られます。
しかし学校から足が遠のいていた時期が長ければ長いほど、学校の先生との関係性、友人関係やクラスの雰囲気、部活動のこと、学習面の不安などを感じるのは当然のことです。
学校へ登校できるようになったとしても、お子さんは登校したい気持ちと不安な気持ちとを葛藤させています。それまで学校を休んでいたのですから、自分で行くと決めたとしても、いざ行動におこそうと思ったらかなり勇気のいることです。
親御さんの中には、「学校は毎日行くのが当たり前」という前提をお持ちの方が少なからずいらっしゃいます。”学校へ登校できるようになったのだから、これからはずっと毎日登校できるはず”、と期待されるようです。しかし、それは大人の都合から生じる思い込みに過ぎません。
はじめのうちは、週に2日のみの登校とか数日間登校したその後に3日欠席とか、遅刻や早退をしながらの登校になります。そういったことが往々にしてあります。
お子さんが自ら決めて行動を起こすことはとてもエネルギーのあることなので、後押しすることがあっても先走らず、むしろお子様が頑張りすぎないようにコントロールすることが大切な時期になります。

まとめ

一進一退を繰り返しながら、こうした期間を経て、徐々に学校や社会へ復帰していくことになります。
全てのお子様が同じような経過を辿るわけではありませんが、不登校を経験し、そこから回復するにはある程度の期間が必要となることは理解しておきたいところです。

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